ボイストレーニングコラム

滑舌を良くするボイストレーニングでコンプレックスを解消

滑舌が悪いことをコンプレックスに思っている方は少なくないことでしょう。会話している相手から何度も聞き返されたり、言いたいことがうまく伝わらなかったりというのはストレスを伴います。ビジネスでもプライベートでも、会話はコミュニケーションのベースですから、滑舌が悪いと損をしがちです。このコラムでは滑舌が悪くなる原因とその対策をまとめました。滑舌を気にしている方は、是非参考にしてください。

滑舌が悪くなる原因はさまざま。自分に当てはまるものを知ろう

滑舌の悪さには大きくは4つの要因が考えられます。対策するには、まず自分自身がどのタイプなのか知りましょう。

筋肉の衰え

声を出すとき、私たち人間はさまざまな筋肉を使っています。舌を滑らかに動かす筋肉、口を開閉する筋肉など、それぞれに重要な役割がありますから、それらの筋肉が衰えていると滑舌は悪くなります。例えば舌の先端部分の動きが悪い場合、「さ行」の発音に最も影響し、次いで「た行」「ら行」「な行」に関わります。一方、舌の根元部分は「か行」に影響します。

では筋肉は何故衰えるのでしょうか? それは現代人特有の生活習慣に起因しています。ひとつは会話量の少なさと、もう一つは固いものを食べなくなった、ということです。近年の私たちのコミュニケーションはSNSなどに頼ったものになっていますし、以前の日本人が常食としていたたくあんなどの歯ごたえがあるものを食する機会も劇的に減っています。これらによって筋肉の発達が促されない傾向にあるのです。

呼吸の仕方

口呼吸は正しい滑舌の大敵です。口が開いた状態が長い方は、自然と舌の筋肉が緩んでいることが多くなります。すると舌の動きを滑らかにコントロールすることができませんから、当然滑舌が悪くなってしまうのです。

また、息を吐く量も滑舌に影響します。息を吐く量が不足しがちな人は、「さ行」のように息を強く吐きながら発音することが苦手なケースが多いようです。

姿勢が悪い

姿勢も滑舌に大きく関係しています。猫背で背中が丸まり気味の場合や、うつむきがち、視線が下がった状態では、遠くまで通るような発声が困難です。

発声の仕方

口の開け方も滑舌を良くするためには重要です。それぞれの音に対して適切な口の開き方は決まっているからです。

また、早口過ぎたり、適切な抑揚が無かったりすると当然相手にとっては聞きづらいものになります。早口の場合、聞き取りにくいだけでなく言葉を噛みやすくなりますし、抑揚が無い話し方は暗い印象になり、こもった声になりがちです。

簡単に行える滑舌改善トレーニング

ここからは滑舌をよくするためのトレーニング方法を紹介しましょう。

割りばしで表情筋の能力アップ!

①割っていない割りばしを二セット用意します
②両方の奥歯でそれぞれ一本ずつ、割りばしの太い側を噛み、細い側は口から出てハの字に広がっている状態にします
③この状態で「ら た な か さ」と発音します

舌の動きを良くするトレーニング

①まず口を閉じます
②下唇と下の歯ぐきの間に舌先を挟み込みます
③そのまま舌先に力を込めて、右から左へ滑らせます。この時、端から端へ移動することを意識してください
④左端に到達したら、力を緩めることなく右に戻ります。もちろんきっちりと端まで行きましょう
⑤3往復したら、同じ動作を上唇と上歯ぐきの間で行います。これも3往復しましょう

母音だけで発声練習

①あくびをする時ののどの開き具合を意識してください
②その状態で全ての言葉を母音だけで、一音一音はっきりと発声します。例えば「おはようございます」なら「お・あ・お・う・お・あ・い・あ・う」といった感じです
③その後普通に「おはようございます」と発音します
④これをあらゆる言葉で繰り返します

早口言葉で滑舌アップ

早口言葉はそもそも発音しにくい言葉をいかにうまく言うかという遊びですから、ゆっくり口にするだけでも発音の練習になります。ごまかさずしっかりと正確に発音し、慣れたら速度を上げましょう。

本格的に滑舌を改善したい人には、ボイストレーニングがおすすめ

ここまでは滑舌が悪くなる原因や、一人でできる対策をまとめてきました。とは言えセルフトレーニングはなかなか効果が上がりにくく、手ごたえが得にくいと続かない、という方も多いと思います。また、イベントなどを控えており素早く滑舌を良くしたい、という方もおられるでしょう。

そんな時は、音声のプロである私達が指導するボイストレーニングを受けられることをお勧めします。上記に書いたような方法の他にも、それぞれの方の特徴を踏まえた指導を行います。お手本をお見せしたり、至っていない点を具体的に指導させていただきます。

そして「ボイストレーニングって歌わないといけないからちょっと……」と思ってしまう人に向けた、歌わないコースというのもあります。歌わずとも滑舌の改善が可能ですので、こちらも是非検討してみてくださいね。

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